華誠の動向 | 華誠が代理したアルマーニ社 対 偽デザイナーの不正競争事件における訴訟上の請求が全て裁判所に認められた
最近、弊所が代理したジョルジオ・アルマーニ(Giorgio·Armani)、アルマーニ社対楊某、張某某の不正競争紛争事件における第二審民事判決が上海知識産権法院から言い渡され、同判決では、当方が主張した300万元強の損害賠償金などを含めた訴訟上の請求が全て認められた。
ジョルジオ・アルマーニは国際的に有名なアパレルデザイナーで、1975年にアルマーニ社を創業した。それから数十年を経たアルマーニブランドは、世界中で極めて高い知名度と評判を得ている。
楊某は、アルマーニ社のブランド・デザイナーと詐称し、ジョルジオ・アルマーニ、アルマーニ社の名義で一般向けに授権書の発行もしていた。張某某は楊某の提携パートナーとして、Weibo(「微博」)、ブログ(「博客」)を通じて、そして『天衣無縫』と題する楊某の自伝本を出版することにより、楊某の偽の身分を宣伝するとともに、張某某自身の名義の会社を通じて楊某と連携してパートナーや加盟店を開拓し、偽の「アルマーニ」の洋服オーダーメイドサービスを提供していた。事件発覚後、張某某は自身を守るために、楊某を契約詐欺罪で公安局に告発した。その後、楊某は契約詐欺罪として北京市昌平区人民法院により有期懲役に処された。
一審裁判所は審理の結果、楊某、張某某の行為は既に虚偽の宣伝及び一定の影響力を有する他人の企業名称、氏名を無断利用した不正競争行為に該当する、との認識を示した。被告張某某は、自身も楊某の刑事事件の被害者であり、審査確認の義務は果たしていることを理由に、上訴を提起した。
上海知識産権法院は審理の結果、張某某は楊某の刑事事件の被害者ではあるが、係争商標及びジョルジオ・アルマーニの高い知名度に鑑み、かつ、張某某はアパレル業界に複数年従事してきた経営者で、高学歴の持ち主であるため、楊某の身分及びその授権書を審査して確かめる能力と義務があるが、それにもかかわらず、楊某が提供した授権書に明らかな瑕疵が存在している状況において、張某某は審査確認の義務を果たせなかったのみならず、楊某の身分を利用して宣伝活動とサービス提供まで行なっている、との認識を示した。裁判所は、両被告の間に共同作業が存在しており、民事賠償責任を共同で負担しなければならないと判断したため、上訴を棄却し、原判決を維持した。
当方は、両被告に係る賠償責任の構成について十分な証拠を提供した上で、両被告の間に共同による権利侵害が存在しており、審査確認の義務を果たせなかったという事実を裁判所に証明して説明した。当方の前記主張は、最終的に裁判所によって全面的に認められた。
【典型としての意義】
(一)刑事紛争と民事紛争が絡んでいる事件における刑事責任と民事責任の負担は、それぞれの法規範・法制度に基づき個別に評価すべきである。刑事事件の被害者だからといって、民事法制度上の責任が完全に免除されるというわけではない。民事法上の権利侵害責任という面からみて、行為者は真に業務提携の意思があり、業務提携契約書の中に利益の分配について明確な記載があり、かつ、審査確認の義務を果たさなかったことにより、権利侵害の結果と影響が拡大した場合においては、やはり行為者として民事責任を負う必要があり、刑事事件の被害者であるという身分では民事責任から免れることができない。
(二)不当利得を得るために、行為者は様々な隠蔽手段を利用して不法行為があった事実を隠すことが屡々ある。本件では、行為者が架空の身分をもって、権利者の氏名・企業名称を無断利用して宣伝・営業活動を行い、関連公衆の誤解を招く可能性が極めて高く、かつ、審査確認するには一定の困難があり、権利者の正当な商業上の権利利益も著しく損なうことになる。 裁判所は本件に係る証拠を踏まえて、本件に関与した両被告は、事実上、虚偽の宣伝及び誤認混同させる行為について提携する意思があり、共同で賠償責任を負うべきである、と認定した。これは不正競争行為を抑制し、公正な商業競争の秩序を維持する上で大きな意義がある。
本稿における一部の画像および文章の出所:上海知識産権法院WeChat公式アカウント