華誠初の「商標逆賠償」訴訟事件、全額賠償を支持する判決を獲得
先日、華誠が代理した、迅銷(中国)商貿有限公司、優衣庫商貿有限公司が広州市指南針会展服務有限公司、広州中唯企業管理諮詢服務有限公司(以下「指南針社、中唯社」という)を訴えた、悪意ある知的財産権訴訟の提起による損害責任紛争事件(以下「逆賠償訴訟」という)について、広州知識産権法院が第二審民事判決を下し、当該判決は当方が提起した400万元余りの損害賠償という訴訟上の主張を全額支持した。
迅銷(中国)商貿有限公司、優衣庫商貿有限公司は、有名なアパレルブランド「ユニクロ」の中国における経営主体である。1984年に日本にて設立されて以来、ユニクロブランドはSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)の経営モデルをもって、世界中で人気のあるアパレルブランドとして、さらにはカルチャーシンボルとして、消費者に深く愛されてきた。
2013年秋、ユニクロは広く知られているウルトラライトダウンシリーズ製品を発売し、製品のタグおよび収納バッグに「
」標章を使用した。これに対して、第10619071号商標「
」の保有者である指南針社、中唯社は、ユニクロの行為に自らの商標権を侵害する疑いがあるとして、2014年3月から中国全土でユニクロに対する商標権侵害訴訟を提起し始め、事件の総数は合計42件であった。
実際には、指南針社、中唯社が従事する主要業務は、商標を大量に登録し、他人に販売して利益を得ることであり、両社名義の商標の総数は2,600件以上あり、明らかに、両社が商標を登録する目的は実際の使用ではなく他人への譲渡にあり、これらの商標には第10619071号商標「
」も含まれていた。
ユニクロが使用している標章が「
」商標に非常に近いことを発見した状況で、指南針社、中唯社は、1,000万元近くの高額で商標をユニクロに譲渡するという要求を提示し、拒絶された後は、大量の商標権侵害訴訟を提起することにより、ユニクロに更に圧力をかけた。
指南針社、中唯社の上記行為により、ユニクロのウルトラライトダウン製品の販売が深刻な影響を受けただけでなく、ユニクロ側は合理的な回避および権利侵害訴訟への対応を行うために多額のコストを投入した。
ユニクロが自身の権益を積極的に保護した甲斐あって、そして、数年来の悪意ある商標のストックや商標を利用した悪意の訴訟に歯止めをかける策の絶えまぬ強化の結果、最高人民法院は、指南針社、中唯社が起こした一連の商標権侵害訴訟が悪意の訴訟に該当すると認定し、指南針社、中唯社が登録を出願していた第10619071号商標「
」も国家知識産権局に最初から無効であると審決された。
このような状況を受け、指南針社、中唯社が悪意をもって登録した「
」商標を利用して悪意の訴訟を行った行為に対して、ユニクロは「悪意ある知的財産権訴訟の提起による損害責任紛争」訴訟を提起し、前記行為により被った経営利益の損害および権利行使のための合理的支出として合計400万元余りを負担するよう指南針社、中唯社に求めた。本件は広州市天河区人民法院による第一審、広州知識産権法院による第二審を経て、両審級の裁判所はいずれも指南針社、中唯社がユニクロに対して提起した42件の商標権侵害訴訟は悪意の訴訟に該当し、ユニクロに相応の経済的損害をもたらしており、全ての損害賠償責任を負担しなければならないとの認識を示した。
知的財産権逆賠償訴訟、即ち悪意ある知的財産権訴訟の提起に対して起こす損害賠償訴訟は、商標類の事件では非常に稀である。本件の意義は、第一審、第二審裁判所がいずれも指南針社、中唯社が提起した42件の訴訟が悪意の訴訟に該当すると判示したことだけでなく、さらに重要なのは、悪意の訴訟に対応するために当方が支出した弁護士費用、出張旅費とユニクロが上記行為により被った営業利益の損害を裁判所が明らかにし、全額支持したことである。
その原因は、まず、当方が本件において損害賠償を構成する具体的な内容について、すべて明確な証拠を提供したからであり、また、本件において指南針社、中唯社による悪意の訴訟と損害という結果との因果関係および関連性を裁判所に十分説明したからである。尽力した結果、当方の主張は最終的に裁判所に全面的に認められた。
時代の絶えまぬ発展につれて、知的財産権の侵害行為も日々多様化・複雑化している。形式的には知的財産権を保有していても、関連する権利の取得が根本的に法的精神に合致せず、かつ悪意をもって他人の合法的権益を侵害することを意図している場合、「権利者」の正当に見える訴訟と権利行使の行為も同様に権利侵害に該当し、相応の法的責任を負担しなければならない可能性がある。逆賠償訴訟制度の設立の目的は、正にこの新しいタイプの権利侵害行為を規制することにある。
従来の強い保護に対して、新しい環境の中で、司法機関と行政機関も現象を通して権利者の権利取得と権利行使の真の意図を洞察し、権利者と行為者の善悪を根本から判別し、立法の趣旨と価値選択の視点から各当事者間の権利義務関係のバランスを取ることが多くなり、このことは間違いなく非常に深遠な意義を持つ。
華誠の弁護士は様々なタイプの難解で複雑な知的財産権事案に直面しながらも、これまで通りに知的財産権に関するプロの法律サービスを提供し、当事者の合法的権益を最大限に守っていく。